高瀬川3兄弟ダムと発電所見学記(2010/05/09)

ダムめぐりも近場は行ったことがあるところばかりになったのと、高速道路1000円がいつ終わるかわからないので、今回はちょっと遠出の日帰りとして長野県北部の大町市の高瀬川のダムめぐりをすることにしました。
早起きして東名高速>東海環状>中央高速>長野道とつなぎ、豊科ICで降りると目の前にまだ雪をかぶった山々が見えます。

大町市内で国道から県道に入り、まずは大町ダムに行きます。すると道路から正面に大きなコンクリートの堤体が見えました。私が感嘆の声をだすと、隣にいた妻は横をむいて声を出してます。??そちらを見ると野生の猿でした。大町ダムは予想していたより大きな重力式コンクリートダムで放水が派手な水煙をあげています。

道路がこのダムの直下からわきを登って天端と管理所につながるので、道路からいろいろなアングルで堤体を眺めることができます。

管理所は閉まっていましたが横にある大町ダム情報館の入り口にダムカードは無造作においてありました。一人一枚とありましたが、無くなったらどうするんでしょう?とりあえずこれで今回の目的のひとつは達成です。
その後、天端を歩きます。下流側を覗き込むと足がすくむ高さです。

上流のダム湖側も美しく、北アルプスの山々が見えます。そういえば登山をしないで野口五郎岳(歌手の名前のほうが後です)を見れるのはここからだけだそうです。たぶん・・真ん中の白い山がそうだと思います。。正直、わかりません。。。

その後もう一度下に下りて下流に吊橋があったのでそこからダムを見ます。

するとここにはなぜかたくさんのフンがあります。犯人は猿です。私たちが橋を離れるとこの猿の群れたちが橋を渡って対岸に移動していきました。 

意外に時間をとってしまったので、慌てて県道を大町市街方面に戻ります。というのは12時半から県道沿いにある東京電力の広報施設である高瀬川テプコ館から出る高瀬ダムと新高瀬川発電所の見学ツアーに予約してあり、その前に昼食をとりたかったからです。結局、県道沿いには昼食をとれそうなところがなかったので、そこから近くてスキーでよく行ってる大町温泉郷に行き、ソバを食べました。

ソバを食べて高瀬川テプコ館に戻るとちょうど12時半で、すぐにダム建設や役割の映画を観たあとに、マイクロバスでツアー開始です。このツアーは無料で、予約も当日の朝に電話してできました。

さっき通った県道を上流に登っていき、これもさっき見た大町ダムの横を通りしばらく行くとロックフィルの七倉ダムが見えてきます。七倉ダムはこのツアーでは寄りませんが、私たちはもちろん後から行くつもりです。ダムを越えると山小屋があってゲートがあり、ここから先は関係者か、このツアーバスか、許可のうけたタクシー(高瀬ダムまで2100円)しか行くことができません。

このバスには東京電力のマスコットであるデンコちゃんがおいてありました。これはテプコ館でも売ってます。
そして・・そして・・ついに目的の高瀬ダムが見えてきます。さすがに提高が日本第2位(1位は隣の黒部ダムです)、ロックフィルとしては国内最高の提高だけあって大きく、天端までの道は堤体の岩の斜面をつづら折に登っていきます。 

天端につくとバスを降ります。ロックフィルなので堤体を見下ろしても切り立っているわけでないので、さほど怖くないです。しかしロックフィルというとどうも横に大きく高さのないイメージなのですが、この高瀬ダムは高さの高いダムなので不思議な気がします。

ダムは右岸に洪水吐き、左岸に展望台があります。この展望台からは谷間に遠く槍ヶ岳の頂上が見えます

ダム湖の水はエメラルドグリーンです。これは上流の硫黄分が含まれているからだそうです。でもphは中性なので魚は生息してるそうです。このダム湖から裏銀座と呼ばれる北アルプス縦走の登山コースになっているそうです。

洪水吐は高さがあるのでそのまま放流すると対岸の山を破壊してしまうので、スキーのジャンプ台のように水が拡散するようになってます。

テプコ(TEPCO:Tokyo Electric Power Company =東京電力)のツアーは続いて新高瀬発電所という地下発電施設の見学に向かいます。発電所は道路を渡った川の対岸側に入り口があります。もちろん普段は施錠されていますが、ツアーのためにトンネルの入り口のシャッターがあいていきます。

この立ち入り禁止のところに入っていくのが快感です。ゆったりとした勾配でトンネルを地下にもぐっていきます。すると大きな縦長の部屋にでました。

これが全部で4台ある発電機の上部です。オレンジ色の突起が発電機の最上部になります。また点検やメンテ用に発電機を引き上げる大型クレーンがあります。ここでパネルを使ってひととりの説明があります。

間単に言うとこの発電所は上流の高瀬ダムと下流の七倉ダムの間にあり、この2つのダムをおおきな貯水タンクとして揚水式発電をしています。昼間の電気需要の多いときには高瀬から七倉に水を落として発電機をまわして発電し、夜間の需要のないときには発電機をモーターとして逆に七倉から高瀬に水を戻します。こうして火力や原子力のような一定の発電の不足分電力だけを需要に応じて補うようになってます。

さて、説明が終わるといよいよ発電機の見学です。あいにく行ったときには発電機は回っていませんでした。ここは巨大な発電機を縦において、それを横切るように4階建てのようになっています。そこで階段をどんどん下っていくと、発電機が姿を現します。

最後に扉をあけて本体の内部にちょっと入りました。巨大なシャフトが神々しくそびえてます。美しさにうっとりしていると皆は先に出てしまい最後になってしまいました。
ツアーはこれで来た道を戻って高瀬川テプコ館に戻ったところで終了です。このツアー、私にはすばらしい内容でした。

私たちはそこからまた七倉ダムに戻り、こんどはゆっくりと見学です。七倉ダムは県道のトンネルの途中から天端や管理所に行けそうなのですが、一般者は入れません。しかしダム下に出る道があり、洪水吐のすぐ横に出れます。

ここも縦に長いロックフィルダムでダムを横切るようにしてダム下の広場に出ることができます。

ダム越しに雪山が見えて気持ちのいいところです。

ここからさらに上流に向かうとダム湖の横に駐車場と山小屋があり、駐車場には2台のタクシーが待機していました。その先には先ほど通った高瀬ダムや発電所に向かう道のゲートがあります。

 

さて、高瀬川の3兄弟ダムの見学はこれで終了です。また来た道の県道を戻る途中に葛温泉というところがあり、3軒の温泉宿があります。そこで仙人岩の近くの仙人閣というところで日帰り温泉をやっていたのでここで温泉に浸かって帰ることにしました。

ここの温泉は空いてるうえに2種類の露天や岩風呂、内風呂もあって気持ちのいい温泉でした。すっかり温まってまた県道を戻ると、標識に黒部ダムの文字が・・。黒部ダムは憧れのダムです。今日はもう遅いので行けないのですが、地図を見ると黒部ダムへ向かうトロリーバスの駅のある扇沢まではすぐそこです。そこでせめて雰囲気だけでも・・ということで扇沢に行ってみます。

扇沢はまだまわりに雪が残っています。ここでバスの時間を調べたり、駐車場にいたスノーボーダーに雪山の状況を聞いたりしました。実はこの日に山スキーに立山に行こうという話があったのですが、前の週に雪崩があったのと天候が安定しないのでやめたのですが、話を聞くと行けばよかったです。まぁ、山スキーも黒部ダムも次回のお楽しみにしましょう!
最後に大町市内に降りて夕食はまたソバを食べます。そこは塩の博物館の前にあるお店で、3月に鹿島槍にスキーに来たときに皆で寄っておいしかったからです。そしてあとはほぼ往路と同じ道で帰宅するともう23時でした。

とりあえず高瀬川のダムをたっぷり楽しんで、そのうえ温泉に入ってソバも2食も食べて、すっかり信州を満喫したダム旅行でした。

 

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